10月13日は豆の日。お豆でみんな健やかに。

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2020.07.14

お豆のコラム⑲ 「豆を使った朝ご飯で健康な毎日を」

 

まもなく梅雨が明け、例年なら夏本番を楽しみたいと思い始めるころですが、やはり今年はちょっと景色が違います。全ての人が、多かれ少なかれ生活が変わったと思っているはず。新型コロナから身を守る意識が常に頭の中にある生活になりました。免疫力を高めることと栄養バランスのよい食事の大切さをあらためて実感します。

 

免疫力を高め、健康を維持するために、いいこといっぱいの豆類。


豆類は栄養豊富だと知っている人が増えてきましたが、“栄養面の優れた点をずばり知りたい” “健康にいい理由を簡単に教えて欲しい”と思っている方も多いのではと思います。

そこで今回、豆博士として有名な名寄市立大学 保健福祉学部 栄養学科教授の加藤淳先生にお話を聞きました。加藤先生の専門は食品科学工学。これまで北海道の農業試験場で豆を中心に農産物の栽培・加工・栄養について研究してこられ、豆類の健康機能性を教えていただくなら加藤先生と、真っ先に名前の挙がる有名な方です。

 

Q:大豆は健康食材として有名ですが、その他の小豆やいんげん豆、えんどうなどの豆類(※以下、豆類)が栄養面で優れている点を、ずばり教えていただけますか?
加藤:まず、脂質の含有量が非常に少ないこと。大豆の10分の1しかありません。豆類の脂質はわずか2%、炭水化物が60%、たんぱく質も20%程度含んでいます。日本人の脂質の摂取量は増える傾向にありますから、たんぱく質を多く含んでいるのに低脂肪だという点に注目です。
それからビタミンB1の含有量が多いこと。ビタミンB1は豚バラ肉に多く含まれていますが、豆類にはそれに匹敵する量が含まれています。なぜ、このことが大事かというと、炭水化物をエネルギーに変えるとき必要なのがビタミンB1だからです。
また、食物繊維は、多く含まれるといわれるゴボウの約3倍です。そして、豆類は茹でると食物繊維としての効果が大幅に高くなるという性質があるんですよ。

 

Q:今回、豆類を使った朝ご飯がテーマなのですが、朝に豆を食べることでどのような効果が期待できますか?
加藤:朝、炭水化物を摂りなさいと言われていますよね。その理由は、炭水化物が身体を目覚めさせるからです。炭水化物は消化酵素によって分解されてブドウ糖になり、身体を維持するエネルギー源になりますが、特に、脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖なんですね。ご飯やパンと一緒にビタミンB1を多く含む豆類を朝食に摂ることで脳を活性化することができます。豆を煮るとビタミンB1の7割程度が煮汁に溶け出てしまうので、煮汁も使う料理法がおすすめです。食材の組み合わせですが、豆類に不足している栄養素はビタミンCなので、ビタミンCの豊富なピーマン、さやいんげん、ホウレンソウ、ブロッコリーなどを合わせるといいでしょう。

 

Q:免疫力を高めることが大事だと、以前にもまして言われるようになりました。豆類を食べることでその効果を期待できますか?
加藤:間接的に期待できると言えます。近年、「腸管免疫」が注目されています。人間の腸には体内の免疫細胞の6~7割が集まっており、有害な菌やウィルスと戦って健康を守るために大きな働きをしています。その腸内の免疫細胞の働きを高めるために重要なのが、およそ1,000種類、100兆個も存在する腸内細菌のうちの善玉菌です。
善玉菌を増やす方法の一つが、善玉菌のエサとなる食物繊維を多く摂取することです。豆類は跳び抜けて食物繊維の多い食品ですし、オリゴ糖も含まれているんですよ。現代の日本人は、特に10代~40代で食物繊維の摂取量が非常に少なくなっています。豆類を様々な料理に使って、免疫力と健康を増進したいですね。

 

煮えやすく、クセがなくて食べやすいえんどう豆で朝ご飯。

 

今回、朝食に使う豆として選んだのは、赤えんどうと青えんどうです。2018年に赤えんどうの一大産地、上富良野町を訪れ、生産者の宮島正志さんを取材したとき、「赤えんどうは、ほとんどが豆大福やみつ豆に使われるんだけれど、料理にも使って欲しいんですよ」とおっしゃっていました。そのお話から今回のコラムは生まれました。

 


写真:上・左が赤えんどうの生産者、宮島正志さん。つくるのがむずかしいつる性のえんどう。宮島さんはじめ、生産者さんの苦労があって、おいしい豆大福やみつ豆が食べられます。上・右は愛らしい赤えんどうの花。下・左は富良野の青えんどうの畑。下・右が青えんどうの花。今は花の季節の赤えんどうも青えんどうも8月に収穫を迎えます。

 

赤えんどう、青えんどうは、本来、料理に使いやすい豆だと思います。まず、皮が薄く、煮えやすいこと。小ぶりでころんとした形で、トッピングにも向いていることは、グリーンピース=青えんどうでご存知の通り。クセがなく食べやすいので、スープやサラダに混ぜても、子どもたちもなじみやすい豆です。また、えんどう豆のビタミンB1の含有量は豆類の中でもトップクラス。朝食にぴったりの豆です。

 


左が赤えんどう、右が青えんどう。乾燥豆はいびつですが、煮るとふっくらとなります。

 

スペイン料理をベースに考えた、えんどう豆の朝ご飯レシピ。

 

レシピ制作をお願いした丸山久美さんは、スペイン在住歴が長く、スペイン料理をベースにした本をたくさん出版している料理研究家です。スペインといえば、豆をよく食べる国の一つ。豆料理を熟知している丸山さんが「赤えんどう豆がおいしくてびっくりした」とおっしゃっていました。そうなんです。乾燥豆を自分で煮てみる実感できますが、赤・青えんどうともに本当においしい豆なのです。

 

【 青えんどう豆のガスパチョ 】

 

 

「ガスパチョは、スペインでは子どももジュースみたいにごくごく飲む、野菜のスムージーみたいなものなんですよ」と丸山さん。ガスパチョといえば様々な野菜を使ったり、パンを入れたりと面倒なイメージですが、丸山さんが今回考えてくれたのは、トマトと青えんどうのみのシンプルなレシピ。豆の煮汁を使うので、とろみが出て旨味もプラスされるうえに、ビタミンB1を余すことなく摂ることができます。
ブレンダーやミキサーでガーっと攪拌するだけなので、忙しい朝でも簡単につくれて便利。暑い日に冷たくして飲めば、食欲の落ちる夏にぴったりの栄養食になります。トマトのおいしさが決め手となるので、甘みの強いものなど様々な種類を試してみて、好みの味を見つけてください。

 

<材料>※2~3人分
青えんどう豆、乾燥の場合80g 茹でた場合160g。トマト(完熟)中2個(約300g)。白ワインビネガー小さじ2。オリーブオイル小さじ2〜3。塩適量
<つくり方>
1、青えんどうは洗い、皮がピンと張るまでたっぷりの水で戻す(一晩程度)。その水ごと鍋に入れて火にかけ、沸騰したら弱火にし、20分茹でてそのまま冷ます(豆の鮮度に左右されるので茹で時間は調整する)。
2、トマトはざく切りにする(気になる場合は皮をむく)。
3、トマトと青えんどう豆100g、豆の煮汁大さじ5〜6をミキサーまたはブレンダーでしっかり攪拌する。オリーブオイル、ビネガーを入れもう一度攪拌し、塩で味を調える。
4、できあがりに残りの青えんどう豆をトッピングする。好みでオリーブオイルをふる。

 

【 赤えんどうのスペインオムレツ 】

 

 

切り分けて食べる、大きなスペインオムレツ。ジャガイモを使うのが定番ですが、さくっとした赤えんどうを使うことで軽い味わいになりました。ウインナーを加えて、子どもも喜ぶ一品にしました。ウインナーの塩味がえんどう豆入りのオムレツを引き立てて食欲をそそります。

 

<材料>※3~4人分、フライパン20cm
赤えんどう豆、乾燥の場合25g 茹でた場合50g。ウインナー3本。卵4個。オリーブオイル小さじ1。塩小さじ1/3。こしょう少々。
<つくり方>
1、乾燥赤えんどう豆は洗い、たっぷりの水でしっかり戻す(一晩程度)。その水ごと鍋に入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして20~25分茹で、そのまま冷ます(豆の鮮度に左右されるので茹で時間は調整する)。
2、豆は水気をキッチンペーパーで取り、ウインナーは5mm幅の輪切りにする。
3、ボウルに卵を溶き、豆、ウインナー、塩、こしょうを加え混ぜる。
4、フライパンを熱し、オリーブオイルを加え、3を流し入れる。中火にして、木べらで混ぜスクランブル状にする。弱火にして周囲がかたまってきたら端をととのえ、皿または蓋をフライパンにかぶせて中身を受け、焼いた部分が上になるようにフライパンに滑らせて戻し、弱火で焼く。2〜3回裏返しながら焼きあげる(中がほんの少し半熟気味のほうがおいしい)


端から寄せながら、フライパンを傾けて卵液を下方に集めながら火を通してまとめていく。返したあとも同様にして焼く。

 

豆は面倒と思っていませんか? そんなことはありません。戻すときは放っておけばいいし、煮ているときも時々様子を見るだけで大丈夫。掃除や洗濯の片手間で煮ることができます。一度にたくさん煮て、小分けして冷凍しておけば、豆は凍ったまま調理できるので、食物繊維や栄養が足りないなと思ったらすぐ足せる便利な食材です。豆類を毎日の食卓に取り入れて、健やかな毎日を過ごしてください。


 赤えんどうを使った日本の美味、あんみつ

 

 

豆大福と並ぶ、赤えんどうを使った日本の美味といえばあんみつ。あん、黒蜜、寒天、そして塩味の赤えんどう。これらの食材が醸し出すハーモニーは格別です。
あんみつを考案した甘味処「若松」が銀座にあります。明治27年に汁粉屋として創業し、昭和5年、“もっと甘いものが食べたい”というお客様の要望に応えてあんみつを考案したのだそう。小豆は十勝産、赤えんどうは富良野産、寒天は伊豆三宅島産、黒蜜は奄美大島の黒砂糖と、国産の材料にこだわっている点は昭和5年から変わりません。
「赤えんどう、小豆をはじめ、材料の品質のよさでは、やはり国産が一番だと思います。うちのあんは、糖度が高いのですがしつこくない甘さなんです。一気に炊き上げるので味が締まるんですね。昭和5年にあんみつが誕生してから材料もつくり方も変えないで来ましたが、昔に比べたらずっとおいしくなっていると思います。それは、材料の品質が高くなっているからなんです。生産者の方々の努力の賜物ですよ。不作で材料の入手が困難なときも、ずっと変えずにやってきました。何十年も通い続けてくださるお客様もいますし、あんみつの元祖と謳っている以上、この味を変えずにいきたいと思います」
国産材料の質の高さと、伝統を守り続ける技から生まれる、上品で深い味わいの「若松」のあんみつ。お持ち帰りもできます。

銀座若松  URL:http://ginza-wakamatsu.co.jp/

 

 

 

 

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