10月13日は豆の日。お豆でみんな健やかに。

豆類の製品を知ろう

私たちの生活に根付いた豆類は、さまざまな製品に加工され、食卓や憩いのひとときを彩ってくれます。豆類の製品を知って、食生活をもっと豊かにしませんか?

和菓子

全国津々浦々、どこにでもその土地自慢の名物があり、どんな小さなお店にも工夫を凝らしたおすすめ品のある和菓子。ひとことにお饅頭といっても、つくるお店の数だけ種類があるといわれます。その大きな理由に、餡のつくり方=製餡があります。餡は、あずき餡と白餡に分かれ、白餡は手亡、大福豆などのいんげんまめの仲間や白小豆からつくられます。豆には、「渋」と呼ばれる苦みや渋みがあります。これは豆が自分を守るため、動物に食べられないようにするために持っている成分です。餡をつくる際にはこれを取り除くのですが、「渋味」は一方で旨味でもあります。豆本来の風味を残しながら、口当たりのよい餡をつくるために、どのように製餡をするのか。そこに職人の個性が現れ、また技術が問われます。これが、和菓子職人が100人いれば100通りの餡があるといわれる所以です。和菓子の主な材料は、豆、お米(米粉)、砂糖、それだけです。それだけで、これほど多様で豊かな和菓子の世界をつくりあげているのです。

  • 豆類の製品を知ろう イメージ写真
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春近くなると恋しくなる桜餅と、いんげんまめの白餡を使った春の煉切り。豆類が華麗な美味の世界をつくります。

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あずきの漉し餡は、煮上げた豆にたっぷりの水をかけて渋を切ったのち、皮を除いてからよく水にさらして製餡し、それを砂糖を水に溶かしたものに加えて煉り上げます。

煮豆

日本の伝統的なお惣菜、煮豆。煮豆というと甘く煮たものを思い出しますが、煮た豆全般を指し、甘いもの、塩味のもの、しょうゆ味の3種類が出回っています。甘煮といっても、ご飯のおかず。ご飯と食べてもちょうどよい甘さに仕上げるのがコツです。とはいえ、砂糖の持つ保水性や保存性を生かした料理のため、本来は甘めに煮るのが基本です。ところが時代と共に甘さ控えめが好まれるようになり、しょうゆや塩味の人気が高まる傾向にあります。そして最近注目されているのが、料理の材料となる水煮や蒸し煮です。日々忙しい子育て中のお母さんにとって、和えるだけ、加えるだけで、良質のたんぱく質やたっぷり豊かな栄養を補うことができる頼もしい存在です。お弁当にもう一品欲しいときにも重宝します。また、なにかあったときの常備食としても、栄養バランスのよい豆の調理食品のレトルトパックに注目です。

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皮にしわがよらないように、ふっくら煮上げて蜜漬けする黒豆。選別したのち包装されます。

  • 金時豆

    味のよさ、食感のよさで大人気。煮豆の定番、金時豆。

  • 白花豆の煮豆

    大粒で、ほくほくした味わい。白花豆の煮豆。

  • 大豆の水煮

    和えたり、汁物に加えたりと、常備しておくと便利な大豆の水煮。

  • ひじきと豆のサラダ

    ひじきと豆のサラダ。こんにゃくも入ってヘルシーで栄養満点。

  • 黒豆の蒸し煮

    そのまま食べても止まらないおいしさ。黒豆の蒸し煮。

  • 黒豆の煮豆

    上手に手づくりするのがむずかしい黒豆の煮豆も製品ならいつでも。

豆菓子

果物などの砂糖煮や蜜漬けは世界中にありますが、豆の砂糖煮「甘納豆」は日本独特のものです。豆選びから始まり、柔らかく煮た後、徐々に濃い蜜液につけ込み、砂糖をまぶして仕上げます。水煮のときにぴったりの硬さに煮上げないと、あの豆本来のほっこりした食感は生まれません。そして、色とりどりで見た目も楽しい豆菓子。豆やナッツの周りに、砂糖水を使って米粉を丁寧にまぶします。豆・ナッツそれぞれの形状や柔らかさに合わせ、砕けたり割れたりしたものを取り除き、根気強くまぶしていきます。それを香ばしく焼き上げた後、味付けをします。定番のしょうゆ、塩、みそ、海苔、きな粉のほか、ココア、さくら、トマト、りんごなど、それぞれの豆菓子店で定番から独自の味付けまで、何十種類も取り揃えているお店も少なくありません。

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ヘルシーに甘いものが欲しいとき食べたくなる甘納豆。

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水煮してから、低めの糖度から煮て、もう一度、糖度を上げて煮上げてから、砂糖がけして出来上がります。

ピーナッツ製品

そのまま食べてもおいしいピーナッツですが、砕いてせんべいに、ペーストにして和菓子や洋菓子の材料に、そして料理にも使われます。ピーナッツは、じゃがいものように地中から掘り出します。花が萎んでから紐のようなもの(子房柄)が地中に伸びて、あのかわいいピーナッツのさやを付けるのです。掘り出したピーナッツは、未熟なものから十分成長したものまで付いているため、加工には熟練した経験と技が必要です。から付きピーナッツは、しっかり洗って土を落とし、乾燥したあと、煎り釜に入れて焙煎してつくります。うす皮付き落花生、揚げピー、バタピー、ゆで落花生など、落花生本来の味わいを楽しむおなじみの製品も、それぞれちがう製法であのおいしさを引き出しています。

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ついつい手が出るピーナッツ。製品によって歯ごたえや味わいのちがうところも魅力。左:バタピー 右:うす皮付落花生

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上:バタピーは、乾燥させたピーナッツをからりと揚げ、塩、マーガリンなどで調味。下:うす皮付落花生は塩水に浸けてほどよい塩味をつけてから焙煎。工場に香ばしい香りが漂います。

フライビンズ

そらまめや青えんどうなどを油で素揚げしたものを「フライビンズ」といいます。そのままおつまみやお菓子になるほか、豆菓子の材料にもなります。皮はぱりっと、中はさくさくとした歯触りで、あとを引くおいしさです。

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そら豆を揚げた「いかり豆」。揚げることで皮がはじけた様子が「錨(いかり)」に似ていることからこの名前がついたと言われます。さくさくとした食感がたまりません。

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上:バタピーは、乾燥させたピーナッツをからりと揚げ、塩、マーガリンなどで調味。下:うす皮付落花生は塩水に浸けてほどよい塩味をつけてから焙煎。工場に香ばしい香りが漂います。

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