10月13日は豆の日。お豆でみんな健やかに。

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2022.12.22

お豆のコラム㉘少しぜいたくに、白花豆でお正月の豆料理

 

12月半ばを越え、師走らしい冬本番の寒さとなりました。お正月の料理について、少しずつ考え始めている方も多いのではないでしょうか?
おせちに欠かせない豆料理。定番は黒豆ですが、ほかによく使われるのが花豆(はなまめ)です。花豆には白花豆(しろはなまめ)と紫花豆(むらさきはなまめ)があります。ともに高級菜豆(高級さいとう)と呼ばれ、つる性で丈高く2メートル以上になるため、つるを1本1本支柱に絡ませて育てます。栽培にとても手のかかる豆です。
花豆といえば、何と言ってもその大きさ! そしておいしい。大粒のせいか、豆のおいしさが際立っています。そして、ちゃんと煮ると皮も柔らかいところも特長の1つです。(下写真:向かって左から紫花豆、白花豆。小豆と比べてみると、どれほど大きいかよくわかります)
今回は、料理研究家の沼口ゆきさんが試作を重ねてくれた白花豆のお正月料理を3つご紹介します。

 

 

<下ごしらえ:白花豆を煮る>

 

1、豆は洗ってたっぷりの水に浸け、途中水を1、2回交換し、1日~2日かけて戻す。大きさ、鮮度、乾燥具合、室温によって戻し時間は異なるので、皮のしわがしっかり伸びてふっくらするまで戻します※戻し足りないとおいしさも引き出せず、なかなか煮えない。
2、豆を厚手の鍋に入れ、新しい水をたっぷり加えて沸騰後10分茹でた後、1度水を切る。新たに水を加えて、豆が柔らかくなるまで弱火で40分~1時間、充分に柔らかくなるまで煮る※火加減は豆がかすかに踊る程度で。柔らかさの確認は食べてみるとよい。

 

【 白花豆の柚子煮 】※つくりやすい分量 ※冷蔵で1週間ほど保存可

 

 

まるで柚子の白あんを食べているような、品のよいおいしさ。つくりたてより、2~3日経った頃のほうがまろやかな味わいになります。お正月のごちそうの箸休めとして、三が日食卓に出したい一品です。もちろん、柚子もおいしくいただけます。

 

<材料>
白花豆(乾燥) 200g
きび糖(または好みの砂糖) 180g
塩 1つまみ
柚子 1/2個(種を取り、7~8㎜厚のいちょう切り)

 

<つくり方>
下ごしらえの要領で柔らかく煮たあと、ひたひたよりやや少なめになるようにゆで汁をこぼし、砂糖を3回に分けて加える。塩とゆずを加えて1~2分煮てから火を止め、そのまま冷ます。

 

【 車海老と白花豆の含め煮 】(4~5人分)※冷蔵で2~3日保存可

 

 

白花豆と車海老という、縁起物が2つ入った彩りも華やかな一品。車海老のうま味が出ただしをふくませた白花豆のおいしいこと! そして、だしのほうも海老と豆のうま味が出て、素晴らしくおいしいので捨てずに召し上がってください。高級食材を使ったこういう豆料理を味わえるのもお正月ならではの楽しみ。ぜひつくってみてください。

 

<材料>
車海老 小8~10尾
柔らかく煮た白花豆 250g(乾燥豆約100g分)
菜の花 適宜(茹でて食べやすく切る)
A:だし 450㏄、みりん 大さじ2、薄口しょうゆ  大さじ2、塩 1つまみ

 

<つくり方>
1、車海老は竹串を使って背わたを取り、尾を残して殻をむく。
2、鍋にAを入れて沸騰させ、柔らかく煮た白花豆を入れて静かに5分ほど煮る。
3、2に車海老を入れて色が赤く変わったら火を止め、そのまま冷まして冷蔵庫に入れ、半日ほどおいて味を含ませる。
4、器に汁ごと盛り、菜の花を添える。
※鮮度のよい車海老を使うのがおすすめですが、他の種類の解凍海老を使う場合は、背わたと殻を取った後に酒と塩を少々揉みこみ、水分を拭いてから使うとよい。

 

【 白花豆のポタージュのお雑煮 】※4~5人分

 

 

スープの素など一切加えない、豆のうま味だけのポタージュ。おいしいのかと疑ってしまいますが、これが思いのほかおいしく、あっさりとして本当にほっとするような優しい味わいです。お正月のごちそうで疲れた胃にぴったりです。物足りないなと思ったら、最後に加えるオリーブ油の代わりにバターでコクを出してもおいしくいただけます。

 

<材料>※4~5人分
長ねぎ 1本(1cm幅の小口切り)
ローリエ 1枚
水 3カップ
柔らかく煮た白花豆 250g(乾燥豆約100g分)
豆のゆで汁 1カップ(または水)
オリーブ油、塩こしょう 適宜
切り餅 4~5切れ

 

<つくり方>
1、鍋に長ねぎ、ローリエ、水を入れて強火にかけ、沸騰後は弱火にし、フタをして30~40分、ねぎがやわらかくなるまで煮る。煮た豆と豆のゆで汁、オリーブ油大さじ1/2を加え、フタをして弱火で更に20~30分、豆がくずれるくらいまで煮て、塩こしょうで味をととのえる。
2、1のローリエを取りのぞいてから、ハンドミキサーで攪拌する。(またはお玉の底で充分につぶす)
3、ざるで漉したのち鍋に戻して(濃度がつきすぎていたら水を少々加え)温める。
4、お椀に3をよそい、焼いた餅をのせ、オリーブ油を少量まわしかける。バターでもおいしい。
※豆はゆでたものを冷凍しておくと便利。

 

豆をゆっくりと煮る行為は気持ちを穏やかにします。おいしい豆料理で、来る2023年もまめで元気にお過ごしください。

 

 

 

 

 

 

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