10月13日は豆の日。お豆でみんな健やかに。

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2021.12.17

お豆のコラム㉕ 甘い煮豆が苦手な方に。お正月の黒豆3種。

 

いよいよ2021年も残すところわずかとなりました。色々なことがあった2021年。来たる新しい年がよい1年となるように願って、大掃除やお正月の準備を進めておられる方も多いことでしょう。
「おせち」とは、お正月や五節供などに神様に供える「御節」のことで、節日に神様に供えたしたものを下げて家族で食べる食べ物が本来のおせちでした。元旦に祝い肴やお雑煮を食べる風習は室町時代に形成されたといいます。かつて祝い肴は、各地方のさまざまな産物でつくられていました。いま定着している祝い肴3種、数の子、ごぼう、黒豆は江戸時代後期に都市部から一般化したと考えられています。
“まめで健康に”との願いを込めた定番の黒豆ですが、甘い煮豆はそれほど好まないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。でも、栄養豊富な黒大豆である黒豆をお正月に食べないのは残念です。そこで、今回は甘い煮豆に代わる、祝い肴となる黒豆の料理をご紹介します。

 

 

【 黒豆とにんじんのつや煮 保存期間:冷蔵庫で2~3日

 

 

塩茹でした黒豆とにんじんをだし汁で煮たら、黒豆本来の甘みと味わいを感じるやさしい煮物ができました。だし汁のうま味と黒豆がよく合います。薄味のにんじんもおいしくて、いくらでも食べられる煮物です。

 

<下ごしらえ…黒豆の塩茹で>
・黒豆は一晩水に浸けて戻す。※目安は皮がぴんと張ってふっくらするまで。一晩で戻らない場合は戻し時間を長くする。水は替えなくてよいが、気になるときは替えてもよい。
・アクを取って茹でて、柔らかくなったらひたひた程度になるように煮汁を捨て、塩を適量加える(食べて薄っすら塩味を感じるくらいの分量)。
<材料>
京にんじん 1本(またはにんじん2本)※皮をむいて1㎝厚さに切り、梅型で抜く。
黒豆の塩茹で(汁気を切る)1/2カップ
A:砂糖(あればきび糖) 大さじ2、塩小さじ1/2、しょうゆ少々、サラダ油小さじ1
だし汁 250㏄
<つくり方>
1、鍋にだし汁とにんじんを入れ、沸騰したらAを加え、にんじんが柔らかくなるまで、約10分程度煮る。そのまま冷ましてからにんじんを取り出す。
2、1の煮汁を軽く煮詰め、黒豆を加えて煮汁をからめる。
3、器ににんじんと黒豆を盛り付ける。

 

 

【 黒豆のごま和え 】保存期間:日持ちはしない。できればいただく直前に和える。

 

 

塩茹でした黒豆をいつものごま和えにしたら、酒の肴にもなる一品になりました。ごまの香りと風味、黒豆の味わい、しょうゆのうま味という、おいしさの三重奏です。つくるのも簡単。年齢を問わず好まれる一品です。

<材料>
黒豆の塩茹で(「黒豆とにんじんのつや煮」の<下ごしらえ>参照。汁気をしっかり切る)1カップ
黒すりごま 大さじ3~4
A:砂糖 2つまみ、塩 少々、しょうゆ 大さじ1
<つくり方>
塩茹での黒豆にAを加えて混ぜ、黒すりごまを加えて和える。

 

 

【 韓国風黒豆煮(コンジャバン)】保存期間:冷蔵で1週間

 

 

韓国の常備菜の定番、コンジャバン。しょうゆ、砂糖、はちみつで煮るので食べやすく、ごま油の香りが食欲をそそります。おとな向けには一味唐辛子をふると、少し辛みが加わってよりおいしくなります。お正月に限らず、普段、つくり置きしておくと栄養豊富な副菜として重宝します。

 

<材料>
黒豆 200g(乾燥豆の状態で200g。浸水して戻しておく)
A:塩 1つまみ、しょうゆ 大さじ3と1/2、きび糖 大さじ2と1/2、はちみつ 大さじ1
ごま油 大さじ1/2
炒りごま 大さじ1/2
<つくり方>
1、黒豆を水から茹で、沸騰したら差し水1カップを加える。これを2回繰り返す。アクを取り、柔らかくなるまで茹でる。
2、柔らかくなったら、茹で汁をひたひた程度に残し、Aを加えて中火で、汁がなべ底5㎜程度になるまで煮る。
3、ごま油と炒りごまを加えて火を止める。盛る際に好みで一味唐辛子を少々ふる。

 

 

豆類は、古くから世界各地で薬用として数多くの効能が伝えられてきました。健康に気配りしたまま年を越すことになりましたが、お正月を過ぎても栄養豊富な豆類を食べて、1年をまめで健康にお過ごしください。
皆様の2022年が幸多い年となるように願っています。

 

レシピ:料理研究家 沼口ゆき

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