豆類は栄養の実力者。家族みんなの健康を育み、豊かな食卓を彩り、幸せをつくります。
■ 子どもたちの成長に、脳の働きを高めるために
豆類のうち、あずき、いんげんまめなどの主成分は炭水化物です。炭水化物の大部分を占める糖質は、身体を動かし、体温を維持するためのエネルギー源となります。特に、脳は糖質のみをエネルギー源としています。
また豆類全般に含まれるたんぱく質は、約20種類あるアミノ酸の組み合わせで構成されています。たんぱく質は体内でアミノ酸に分解されたのちに再び合成され、筋肉、内臓、皮膚、血液など、身体をつくります。
豆類は、体内でほとんど合成できない「必須アミノ酸」のうち、精白米に不足するリジンやスレオニンが豊富に含まれているため、豆類と米を組み合わせることでアミノ酸のバランスがよくなります。「必須アミノ酸」は子どもたちの脳の発育に欠かせません。そのほかに、丈夫な骨や歯のもととなるカルシウムも豆類には豊富です。
日々のお弁当やおやつに豆類のおかずやおにぎりを取り入れることで、子どもたちの健康と学びを促進しましょう。
■ 美容、アンチエイジングに
美容ビタミンとも呼ばれるビタミンB2と、糖質をエネルギー源としてうまく利用するために必要なビタミンB1を、豆類全般は比較的多く含んでいます。また、豆類のうち、あずきといんげんまめなどは脂質をほとんど含まないうえに、食物繊維がごぼうの2倍、さつまいもの3倍も含まれています。豆類は美容とダイエットに効果的な食品です。
■ 成人病・がんの予防に
食品の中でも、飛び抜けて食物繊維の多い豆類は、発がん性物質をはじめ腸内の有害物質の早期排出を促進し、大腸がんの予防に役立ちます。
また、豆類のさまざまな色素や苦み、渋みなどはポリフェノールに属する物質です。ポリフェノールは、動脈硬化、心臓病の予防、発がん物質の活性化予防、免疫力の増強、抗アレルギー作用など、多くの効果のあることがわかっています。
いわゆる身体の「サビ」を防ぐ抗酸化作用を豆類は持っているうえに、豆類のポリフェノール含量と抗酸化活性には高い相関関係のあることが判明しています。
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「赤い色が魔を払う」として、古来よりお正月やお祝いごとに用いられ、日本人には欠かせない豆、あずき。近年では、その赤い色の持つ、ワインより高い抗酸化作用が注目されています。
【用途】赤飯、あずきご飯、和菓子、餡、お汁粉など -
あずきの中で特に大粒のものを「大納言」と呼びます。煮ても皮が破れにくいという特徴をもっています。
【用途】鹿の子、甘納豆など -
あずきと近縁ですが別の種類の豆です。関東地方では、小豆ではなくささげを赤飯に使います。小豆は煮たときに皮が破れやすいため、切腹を連想させることから、皮の破れにくいささげを使うようになったといわれています。
【用途】赤飯など
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大家族のいんげんまめの中で、最も代表的な種類です。食感もよく、甘い煮豆がおなじみですが、洋風の煮込料理にもよく合います。
【用途】煮豆、煮込料理、甘納豆など -
陶器のように美しい肌を持つ大ぶりのいんげんまめで、ひと口に大福豆といっても多くの種類があります。食感がよく、甘納豆、和菓子の材料に使われるほか、お正月の豆きんとんにも使われます。
【用途】甘納豆、和菓子、煮豆、サラダ、スープなど -
乳白色で小ぶりのいんげんまめです。育てるときに‘手竹’と呼ばれる支柱がいらないため、この名前がつきました。美しい色と粘りを生かし、ほとんどが和菓子の白餡の材料になります。
【用途】和菓子
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虎に似た模様があるいんげんまめです。皮が柔らかく、煮えやすいのが特徴で、虎豆の新豆でつくった煮豆を食べると、笑顔がほころんで夫婦喧嘩も収まるという人もいるほどです。
【用途】煮豆、サラダなど -
円筒形の大ぶりのいんげんまめで、鳥のうずらの卵に似ているところからこの名が付きました。煮豆、甘納豆などに加工されますが、煮込み、スープなど、和洋を問わず色んな料理によく合います。
【用途】煮豆、甘納豆、スープ、煮込など -
いんげんまめの近縁ですが、大きくてきれいな花が咲くので花豆と呼ばれています。白花豆と紫花豆があります。
【用途】煮豆、甘納豆、スープ、煮込など
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青えんどうと赤えんどうがあり、青えんどうは菓子と料理に幅広く使われています。一方、赤えんどうはみつ豆や豆大福に使われ、やや塩味をきかせて煮上げてあるため、餡の味わいを引きたてています。
【用途】煮豆、炒り豆、甘納豆、和菓子など -
国産は野菜としておなじみですが、乾燥豆のほとんどは輸入されています。加工品としてはフライビンズのほか、大粒のものをふっくら煮たお多福豆が有名です。また中華料理の調味料である豆板醤の原料にもなります。
【用途】フライビンズ、煮豆、甘納豆など -
落花生=ピーナッツは、江戸時代に日本に渡来しました。一番親しまれている煎った落花生やバターピーナッツ以外に、せんべいなどの菓子や料理にも広く使われています。
【用途】菓子、煮豆、味噌、ピーナッツバターなど用途】煮豆、サラダなど
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日本の食文化と関わり深い大豆は、弥生時代に中国から伝わったといわれ、日本では広く栽培されています。青大豆、黄大豆、黒大豆があり、加工品として青大豆はきな粉、黒大豆ではお正月の黒豆が有名です。
【用途】豆腐、納豆、味噌、醤油、煮豆、きな粉など -
紀元前から栄養価の高い食品として食べられてきた豆です。国産はなく、出回っているものはアメリカなどからの輸入品です。すぐ火が通るため下茹でする必要がなく、肉料理の付け合わせやスープなどに広く使われています。
【用途】カレー、スープ、サラダ、肉類の付け合わせなど -
栗のようにほくほくとした食感から「くり豆」と呼ばれることもあります。国産はなく出回っているのはメキシコなどからの輸入品です。主な産地であるインドでは、挽き割り豆を使った「ダル」というスープが有名です。
【用途】
スープ、サラダ、カレーなど