10月13日は豆の日。お豆でみんな健やかに。

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2015.12.17

お豆のコラム①「新米を楽しむように、小豆の新豆を楽しもう」

収穫されて間もない小豆のおいしさ、ご存知ですか?

保存のきく乾燥豆だから気がつかずにいますが、新米のように、とれて間もない小豆はやっぱり違います。香りが違う、煮え方が違う、そしておいしい! 煮え加減をみるためにすくって食べた、­その一口がついつい二口三口と、味付けもなしでぱくぱく食べてしまう。それほどのおいしさです。

小豆の一大産地、北海道の小豆の収穫時期は9月下旬から10月中旬頃。花が咲き、さやがつき、黄色く枯れたら収穫です。北海道の広大な小豆畑が見渡す限り一面に枯れている様子には驚きますが、そこからいきいきとした赤い小豆がとれるなんて魔法のようです。

小豆に限らず、北海道の豆類の品質は世界一といっても過言ではありません。生産者さんが手塩にかけた小豆の新豆が私たち消費者の手に届くのは11月初旬頃から。豆類は、次の年の豆が市場に出るまで、1年間通して新豆と呼ばれますが、とれたばかりの瑞々しい味わいは格別です。

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【日本一の豆の町、北海道・十勝地方、本別町の、「本別発・豆ではりきる母さんの会」に教えてもらう】

 

十勝平野の北東部に位置する本別町は、良質の豆の産地として知られています。この本別町で、安全で質の良い地元の食材と、手づくりならではのおいしさを伝えたいと、豆類の加工品の製造・販売を続けている、生産者のお母さんたちのグループがあります。それが「本別発・豆ではりきる母さんの会」。現在、豆腐部門・味噌部門・菓子部門に分かれて、総勢21名が活動しています。

菓子部門の主力製品は「の〜んびり羊羹」。名前もすてきなのですが、主に北海道内の各所で販売しており、出すとすぐ売り切れる人気ぶり。小豆を主に様々な豆類をつかって、たった5人で、なんと月150〜200本もの羊羹を製造しています。もちろん、農作業や家事を行いながら。

豆を生産し、加工する、豆類のプロ中のプロともいえる「豆はり会」(略称)のお母さんたち。お話を聞かない手はないということで、教えていただきました、小豆のABC。教えてくださったのは、「豆はり会」代表、菓子部門担当の熊谷ひとみさんです。(下写真:お母さんたちが豆製品を手づくりする「豆はり会」の工房)

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[ 新豆の特徴と選び方 ]

「まず、色がいいですよね。明るい赤色をしています。そして香りもいいです。それから、煮えやすいこと。30分ぐらいで煮えます。新しい小豆は渋切り(小豆の「渋」を抜くため、煮汁を捨てる工程のこと)の必要もありません」と熊谷さん。「本格的な収穫の前、9月のお彼岸に、最初に熟したさやだけ見つけて、母がおはぎをつくってくれたことを覚えています」と、生産地ならではの小豆の思い出を話してくれました。購入の際には、まず生産年を確かめます。それから、見た目の色が明るく、粒のふっくらしたものを選ぶとよいとのことです。

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[ 煮方のコツ ]

小豆は、あらかじめ浸水の必要のない豆。だから、思っている以上に煮るのがかんたんな豆です。以下が、熊谷さんが教えてくれたポイントです。

• 小豆は2倍以上に膨らみます。煮る際には、必ず3倍以上の水が必要。

• 一度煮立ったら、その後は「コトコト」煮る。ぐらぐら煮てはいけない。

• 砂糖は必ず小豆の芯がなくなってから。隠し味の塩は火を止める2〜3分前に加える。

煮ている間に水が少なくなったら継ぎ足しても大丈夫。「豆をコトコト煮ていると、湯気で台所があったかくなって、豆のよい香りでいっぱいになります」と熊谷さん。きっと、こういうことがお母さんの記憶になるのでしょうね。

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[ 忙しい母さんたちの調理の知恵 ] 

「夜のうちに片手間に煮てしまって、調理しやすい固さまで煮たら、そのまま置いておくんですね。翌日、ご飯と炊いて小豆ご飯にしてもいいし、うちでは玉ねぎなどと炒めてオムレツの具にしたりします。すぐ使わない分は、煮汁を切って、小分けして冷凍にしておきます。小豆は、凍ったまま調理しても大丈夫なんですよ。こうすれば、あんもお汁粉も思いついたときにつくれます。私はお汁粉が大好きです」。

おなじみのあんやお汁粉も、豆の風味が生きているとさらにおいしく、甘さも隠し味の塩の利かせ方もお好みにできるのは、生豆から煮る手づくりならでは。寒い冬のおいしいお汁粉は幸せなおやつです。

 

[ 生豆の保存方法と、日がたってからの小豆の煮方 ] 

ペットボトルや密閉できるジッパー付きの袋に入れて、冷蔵庫で保存するのがいいそうです。1年間は大丈夫。ただ、やはり時間が経つにつれ、特に夏を越すと小豆の色が濃くなり、渋みが増すので、たっぷりの水で10〜15分煮て、その煮汁を捨てる渋切りをしっかりやります。渋切りの時間は、小豆の状態によるので、煮汁の色を見て判断するといいそうです。

「渋」は苦みや渋みですが、一方で煮汁には多くの栄養成分やうまみも溶け出しています。どれくらい渋を切ればいいのか、ご家族や食べ方を考えて加減してみてください。

 

【栄養豊富な食材の優等生、小豆をもっと楽しもう】

 

小豆の食物繊維はごぼうの3倍、ポリフェノールは赤ワインの1.5倍というすごさ。そしてビタミン・ミネラルも豊富で、特に注目したいのはビタミンB群の豊富さです。B1は糖質の分解、B2は脂肪の分解、B6はたんぱく質の合成を促進します。小豆は、すべての年齢層によい食材です。

「豆はなんでもペースト状にできる」と熊谷さん。なるほど。つぶしてコロッケにしたり、ディップにしたりすれば、料理の幅がかんたんに広がります。お子さんが喜ぶ、あんをディップにするクッキーをご紹介します。クッキーは、安心・安全で、ふわりと風味の軽い北海道産小麦粉を使い、砂糖とバターを少なめにして焼き上げます。その素朴な味わいのクッキーに、あんをのせて食べると! 粉のコクと小豆の風味の組み合わせが、なんともいえないおいしさ。また、バターを塗ってからあんをのせても格別です。お休みの日に、ぜひ、お子さんと一緒に手づくりしてみてください。

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※「本別発・豆ではりきる母さんの会」の製品の購入を希望される方は、JA本別町へお問い合わせください。JA本別町ウェブサイト http://city.hokkai.or.jp/~honja/

 

 

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