10月13日は豆の日。お豆でみんな健やかに。

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2021.07.14

お豆のコラム㉓ 夏を乗り切る、豆のエスニックサラダ

 

梅雨明け間近となり、本格的な夏がやってきます。
今年は暑い夏になりそうとのことで、心配なのが夏バテです。夏バテ対策には、バランスのよい食事をすることが最も大切ですが、どうしても偏りがちになってしまいます。
そんな夏こそ、栄養豊富な豆類をとりましょう。豆類には、暑さのために消耗しがちなビタミンB群が豊富に含まれています。そして、レシピにもひと工夫を。「酸味を利かせる」「スパイスや香味野菜を使う」などの調理法を取り入れることで食欲が増進します。
そこで今回は、豆を使ったエスニックサラダをご紹介します。レシピを考案してくれたのは、料理研究家の沼口ゆきさんです。

 

【 とら豆と夏野菜のアジアンテイストサラダ 】

 

 

出来たてのとら豆の煮豆を食べると笑顔がこぼれ、夫婦げんかも収まると言われるほど、おいしいとら豆。甘みを利かせたナンプラーのタレにも、こんなに合うとは驚きでした。
とら豆のさくっとした食感、コーンの甘みと歯ごたえ、きゅうりのさっぱり感、素揚げした薄皮つき落花生の香ばしさ、そして香菜のよい香り。口の中に広がる様々な風味と食感が楽しくて、食欲がない日でもたくさん食べたくなるサラダです。和えてから少し時間をおいたほうが、豆に味がしみて、よりおいしくいただけます。

 

<材料>※3~4人分
茹でたとら豆   2/3カップ
きゅうり     2本 (縦4等分に切ってから、長さ2㎝の斜め切りにする)
トウモロコシ   1本 (茹でて芯から身をはずす)
香菜       2~3株 (ざく切り)
薄皮つき落花生  20g  (素揚げして粗みじん切りにする)
エスニックだれ:ナンプラー小さじ4、砂糖小さじ3、酢小さじ4、にんにく1/2かけ (みじん切り)、赤唐辛子1/2本 (みじん切り)
<つくり方>
ボウルにとら豆、きゅうり、とうもろこしを入れてエスニックだれで和え、香菜を加え、器に盛って揚げ落花生を散らす。

 

【 サラダチリコンカン 】

 

 

人気の煮込み料理、チリコンカンをサラダ仕立てにしました。豆に加えて、“トマトが赤くなると医者が青くなる”と言われるほど栄養価の高いトマト、食物繊維・βカロテン・カリウム豊富なオクラ。栄養面で優秀な食材が3つそろったサラダです。
チリコンカンやカレーに欠かせないスパイス、クミンの風味が食欲をそそります。オクラの粘りは気にならないの? と思いますが、むしろオクラなしではおいしさが半減するのではと思うほど、このレシピにぴったりの食材です。酸味の利かせ方は、お好みでレモン汁の量を加減してみてください。

 

<材料>3~4人分
茹でた金時豆  2/3カップ
トマト     中2個 (1㎝の角切り)
玉ねぎ     1/8個 (みじん切り)
おくら     10本 (さっと茹でて1㎝幅に切る)
香菜      2~3本 (みじん切り)
A:レモン汁 小さじ2~3、クミンパウダー 小さじ1/3、粗挽きコショウ少々、一味唐辛子少々 (お好みの辛さで)
塩       適量
オリーブ油   大さじ1+1/2
<つくり方>
ボウルに金時豆、トマト、玉ねぎ、オクラ、香菜、Aの調味料を加え、塩で味をととのえ (やや多めにすると味がしまる)、オリーブ油を加えてざっと混ぜる。

 

他の野菜と組み合わせることで、豆類に不足しているビタミンCもたっぷりとることができます。豆を多めに煮て冷凍しておけば、暑い日にさっと栄養満点のひと皿がつくれる豆サラダ。どちらもとてもおいしいので、たくさん食べて暑さに負けない日々をお過ごしください。


【 落花生は豆の仲間です 】

 

落花生はナッツだと思っていませんか? 実は、落花生はマメ科の植物なのです。しかもとてもユニークで、花がしおれた後にできる茎のような子房柄(しぼうへい)が地面に潜って、地中で実ります。国内の落花生の一大産地は千葉県。特に、八街市 (やちまたし) が有名です。豆類の変わり者、落花生について、八街で落花生の卸と小売を行う (有)フクヤ商店の福田浩章さんにお話をうかがってきました。(下写真:八街駅前の大きな落花生のモニュメント)

 

 

「落花生はどこでも栽培することができますが、土壌の水はけがよく、温暖な気候が向いています。千葉県は関東ローム層で雨量もそれほど多くなく、比較的温暖で、平地だから風通しもよい。特にここ八街は、落花生栽培に最適な土壌と言われ、明治時代末期に急速に発展し、今でもトップクラスの生産量を誇ります。千葉県産の落花生のおいしさの秘密は、ボッチ(収穫後の落花生を円筒型に積み上げること)にあると言われます。海外では機械で急速に乾燥させますが、千葉ではボッチでゆっくりと、秋から冬にかけて寒風にさらして乾燥させるため、ショ糖が増えて甘みのあるおいしい落花生ができるのです」
千葉県の落花生の代表品種は5つ。あっさりした旨味の「ナカテユタカ」。味のバランスがよく、濃厚な「千葉半立(ちばはんだち)」。少し前に大ブレイクした、甘さが際立つ「Qなっつ(きゅーなっつ)」。茹で落花生として食べられている「郷の香(さとのか)」。そして、通常のサヤの2倍はありそうな大粒の「おおまさり」は、茹でて食べると栗に並ぶおいしさ。フクヤ商店さんは通販も行っており、通年決まった品種を注文されるファンも少なくないそうです。
「落花生は植物としてもユニークですが、味わいも独特だなと思います。香ばしさやうまさがしっかりあるのに、押しが強くないというか。だから飽きることなくいくらでも食べられますし、料理にも使いやすいです。ただし、食べ過ぎには注意ですね(笑)。健康や美容面でも注目されていますし、千葉県の落花生をぜひ食べていただきたいと思います」

 

フクヤ商店の店頭。千葉県の代表的な5つの品種の落花生が並び、ピーナッツバターや落花生のお菓子、ピーナッツオイルなどの加工品の品ぞろえも豊富。

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