10月13日は豆の日。お豆でみんな健やかに。

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2018.05.25

お豆のコラム⑫ 栄養、おいしさ、王様級! 乾燥豆の豆ご飯でお弁当。

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新年度が始まり、また新たな気持ちでお子さんやご主人のお弁当をつくっている方も多いのではないでしょうか
お弁当は、食べてもらうための見た目や彩りの工夫に加えて、やはり栄養のあるものをバランスよく詰めてあげたいと思います。だからこそ、豆ご飯を取り入れてみませんか。
豆ご飯というと、今の時期に旬のえんどう豆を使ったものを想像する方がほとんどだと思いますが、今回紹介するのは乾燥豆を使った豆ご飯です。黒千石という極小黒大豆を使ったものと、小豆を使ったもの。ぜひつくってみてください。きっと、そのおいしさに驚かれると思います。自信をもっておすすめします。
黒千石と小豆を使った豆ご飯の見逃せない優秀さ、ご紹介します。

 

<黒千石とは? 黒千石の栄養は?>
黒千石はおなじみ黒豆の小さなもの、極小黒大豆です。
・豆類すべてに抗酸化作用のあるアントシアニンやポリフェノールが含まれていますが、黒千石は他の黒豆より多く含んでいます。
・なんと黒千石には、アレルギー症状を抑えたり、ガンへの免疫力を高めたりする「インターフェロンγ(ガンマ)」を生み出すよう促進する物質が含まれていることがわかっています(※北海道大学 遺伝子病制御研究所 西村孝司教授グループの研究による)。
・大豆はたんぱく質が豊富なうえに、大豆たんぱくは悪玉コレステロールを減らす作用があります。さらに、たんぱく質が分解されると大豆ペプチドという物質になり、これは筋肉疲労と脳疲労の回復に役立つと言われ、肥満防止や血圧降下作用があります。
・その他、詳細な成分に差はあるものの、健康や美容にいいとされる大豆と同じ効果があります。

<小豆の栄養は?>
・小豆といえばポリフェノール。赤ワインの1.5倍もあります。しかも、北海道産の小豆はどこのものよりも多く含んでいます。ポリフェノールは、老化防止に効果のある抗酸化物質であることが、よく知られています。
・そのほかに、小豆のポリフェノールには、血圧・血糖値・悪玉コレステロールの上昇抑制作用もあるのです(※北海道立中央農業試験場の実験結果による)。
・食物繊維の豊富さも豆類の中ではダントツで、ゴボウの約3倍。しかも、ゆでたときのほうが繊維は増加するという性質を持っています。

<ご飯+豆のパワー>
・体をつくるたんぱく質は20種類のアミノ酸からできており、そのうちの9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、体内でつくれないために食物から摂取しなければなりません。その必須アミノ酸うち、ご飯(精白米)で少ないものはリジン。
リジンは、体の成長や組織の修復にかかわる抗体、ホルモン、酵素をつくるための材料になります。また、成長ホルモンの分泌を促し、カルシウムの吸収もサポートしてくれるので、お子さんの成長に欠かせません。豆類にはこのリジンが豊富に含まれています。豆ご飯は栄養バランスからも理にかなった料理なのです。
・そのほか、豆類はたんぱく質・脂質を分解してエネルギーに変えるビタミンB群も豊富。ご飯の炭水化物や肉・魚のおかずのたんぱく質の利用効率を高めてくれるため、お弁当にもってこいです。

 

【十勝地方・本別町の山下さんご夫妻に聞く、黒千石の生産】

 

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上段:黒千石の畑で。山下さんご夫妻。下段左:黒大豆と極小黒大豆はこんなに大きさが違います。下段右:収穫の1カ月ほど前の黒千石のさや。


北海道・十勝地方の東北部に位置する本別町。肥沃な土地と「十勝晴れ」と称される晴天率の高い気候によって、良質な豆がとれる町です。ここで黒千石を生産しているのが山下芳久さん・末利子さんご夫妻。
「黒千石は北海道の在来種の豆で、一時つくる人が途絶えたけれど、また少しずつつくられるようになりました。真っ黒な皮をむくと、中はきれいな緑色だからおもしろいよね」と山下さん。
昨年9月末に、収穫前の黒千石を見せていただきました。本当に、小さな枝豆という感じのかわいいさやです。刈り取って、ニオ積み(刈り取った豆を枝のまま積んだものを「ニオ」といい、その状態で自然乾燥させる)し、手選別しているそうで、本当に手がかかっています。山下さんの家では、黒千石をもち米と蒸して豆餅にしたりするそうです。
「虫に食われやすいし、刈るのが大変だけれど、買ってくれる人がいるから続けられる」と山下さん。近年、健康パワーでも注目される黒千石。おいしく食べて生産者の方々のご苦労に報いたいと思います。

※本別町の黒千石は、道の駅「ステラ★本別」(TEL0156-22-5819)から、電話で取り寄せることができます(在庫切れの場合もあります)。他にも珍しい豆を色々と置いているので、興味のある方は問い合わせてみてください。

※山下さんが紹介してくれました。子供たちも参加して制作された、豆の町・本別町のPR動画。豆の栽培の様子も見ることができます。動画はこちらから

 

【黒千石の梅干しご飯】

 

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「これなら夏でも、いくらでも食べられる!」と言った男性もいたほど。先述の黒千石に加えて、美容・健康に強力な機能性を持つ梅干しの入った、最強とも言えるご飯です。しかも、ものすごくおいしい! 梅干しの酸っぱさが苦手な方も、こんなふうにご飯と混ぜることで、さわやかな梅干しの香りとほどよい酸味を楽しむことができると思います。
食中毒の原因となる菌を抑制する効果のある梅干しが入ったこのご飯は、これからの季節のお弁当にもぴったり。お子さんからご高齢の方まで、ご家族で食べていただきたいご飯です。

材料:米2合(といで30分浸水させる) 黒千石30g(洗って米と別に30分浸水させる) 酒大さじ1 梅干しの種1個 塩1つまみ 実をちぎった梅干し適量 大葉の千切り適量。
つくり方:炊飯器に米と目盛り通りの水を加え、酒、塩を加えて混ぜ、水けをきった豆をのせ、梅干しの種を入れ、普通に炊く。炊き上がったら梅干しと大葉をざっと混ぜる。
※黒千石は、浸水せず、そのままで炊いても大丈夫な豆で、軽く炒って加える方法もあります。今回は、だれもが食べやすいように軽く浸水させました。炊いてみて豆が固いなと思ったら、ご自宅の炊飯器のくせなどをご考慮のうえ、浸水時間を長くするなど、調整してください。

 

【アレンジ自由自在! 洋風小豆ライス】

 

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小豆を炒めるとおっしゃっていた生産者さんがいらっしゃいましたが、確かに、小豆のあん+生クリームやバターがおいしいのですから、料理でも小豆と油脂は相性がいいはず。そう思って、小豆を玉ねぎと炒めてコンソメを加えて炊いてみたら、洋風お赤飯と言ってもいい、びっくりするほどおいしいご飯ができました。お子さんや男性もきっと大好きな味です。しかも、冷めてもおいしい! ぜひ試していただきたいです。
また、小豆のさらりとした食感ならできるはずと、炊き上がった小豆ライスをチキンライスにしてみたら、これもすごくおいしかった。カレーでもいけます。
このご飯を多めにつくって冷凍しておけば、レンジで温めなおして炒めることで、簡単に別メニューのお弁当をつくることができます。人気の洋風ライス、小豆を加えて栄養価や健康効果を高めましょう。

材料:米2合(といで30分浸水させる) 小豆30g(洗って、たっぷりの水と火にかけ、沸騰後12分煮たのち湯を捨て、再度水を加えて沸騰したらごく弱火にして10分煮てフタをして冷ます) 玉ねぎ1/4個(粗みじん切り) オリーブ油またはサラダ油大さじ1 塩12つまみ コンソメ(できれば無添加のもの)1/2袋程度(お好みの量で)。
つくり方:フライパンに油を熱し、玉ねぎがしんなりするまで炒め、水けをきった小豆を加えて炒める(小豆が固めだったら少々長めに炒めてもよい)。炊飯器に米と小豆の茹で汁(足りなければ水を加える)を目盛りまで加え、コンソメ、塩を加えざっと混ぜ、炒めた玉ねぎと小豆をのせて普通に炊く。
※小豆はたくさん下煮しておいて冷凍しておけば、凍ったまま炒めることができます。冷凍するとき煮汁は捨てるので、その場合は煮汁ではなく、普通に水で炊いてください。そのほうが、さらに洋風ライスっぽい味わいになります。
※豆が吸水すること、チキンライスなどのアレンジを行うかどうかを考慮して水加減を調整してください。
アレンジのチキンライス
材料:小豆ライス米1合分 鶏むね肉80g1cm 角切り) ピーマン1/2~1個(78㎜角切り) ケチャップ適量 塩・コショウ少々 油小さじ2
つくり方:フライパンに油を熱し、鶏肉(直前に塩胡椒をふったもの)を中火で炒め、ほぼ火が通ったところでピーマンを加えてさっと炒め、ケチャップを加えて炒め合わせ、小豆ライスを加えて手早く炒め、塩胡椒、ケチャップ(足りなければ)で味をととのえる。


今回、レシピを考案してくれたのは、料理研究家の沼口ゆきさん。生産者さんのお話から発想したアイデアを、洗練されたレシピにしてくれました。
改めて、豆の健康パワーはすごいと思います。乾燥豆のよいところは、年中、豆ご飯を楽しむことができること。豆をみんなが好きな炊き込みご飯や洋風ライスにして、体によいお昼ご飯を、おいしくいただきましょう。


【もちろんあります、極小の黄大豆。こちらも豆ご飯におすすめです】


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こちらもやはりかわいい大きさの極小黄大豆(写真の左が普通の大豆。右が極小黄大豆)。主に納豆用に生産されていますが、最近では豆ご飯用としても注目されており、ご飯にぴったりの小袋がホクレンから北海道などの限られた地区で販売されています。この極小黄大豆の豆ご飯もとてもおいしい。水で一晩またはぬるま湯で4時間ほど浸水して使います(詳しい使い方は袋裏に記載)。炊き上がったら、ゴマやちりめんじゃこなどを混ぜるとさらに栄養豊富に、おいしくいただけます。見つけたらぜひ試してみてください。

 

 

 

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