2025.12.17
お豆のコラム㊵ 豆を使って、おせちをおいしくリメイク
2025年も残すところわずかとなりました。大掃除、買い出し、新年のごちそうの準備と、忙しくしておられる方も多いことでしょう。年末の慌ただしさを越えたあと、待っているのは新年を祝う食卓に広がる笑顔です。
お正月のごちそうといえば、やはり日本の伝統的な行事食おせちです。おせちの定番、豆煮、ごまめ、田作り、数の子などにはそれぞれ、新しい年への願いや意味が込められています。ただ、三が日分たっぷり用意することに加えて家族の好みもあり、どうしても余ってしまうものも出てきます。
そこで今回は、豆を使って余ったおせちをおいしいいただくレシピをご紹介します。豆は食物繊維を豊富に含むため、お正月休みの運動不足で乱れがちな腸の調子を整える効果が期待できます。
今回お願いした料理研究家は、食材としての豆類をよく知っている沼口ゆきさん。三が日のごちそうに飽きた頃に食べたくなるレシピを考えてくれました。市販の蒸し豆や茹で豆を使って簡単に作ることができます。どのレシピも、余ったおせちを使うため、つくり置きせず、すぐ召し上がるようにしてください。
なますをナンプラーで味付けし直し、チャーシューを挟んだバインミー(ベトナムのサンドイッチ)をつくりました。味の決め手は、金時豆をつぶしてバターで練ったペースト。具材感覚でたっぷり塗りました。これ、ものすごくおいしいです! コクのある金時豆バターが、なますとチャーシューをうまくまとめてくれています。豆類の中でも、味わいがよくねっとりした金時豆でなければこのまとめ役はできません。
チャーシュー以外の具材としては、ロールチキンなどおせちで余った肉類を使ってもいいし、冷蔵庫に保存してあるベーコンやハムでもOK。また、金時豆バターはトーストに塗ってもおいしいので、たくさんつくって、小分けして冷凍しておくと便利です。
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[ 材料 ] ※1人分
金時豆バター:金時豆(ドライパックまたは茹でたもの) 35g バター大さじ1/2(6g)※室温に戻す
おせちのなます1/4カップ※かるく水けを絞り、ナンプラー、にんにくみじん切り、各少々を混ぜておく
バゲッド20~25㎝
バター適量、豆板醤少々
焼豚適量(または、おせちのロールチキン、ハムなど)
サラダ菜2~3枚、香菜適量
[ つくり方 ]
1、金時豆をフォークの背などでしっかりつぶし、バター加えてゴムベラで練るように混ぜ合わせる(すり鉢で豆をつぶしてバターを混ぜてもよい)。
2、バゲッドは半分に切り込みを入れて開き、片側にバターと豆板醤少量を塗り、もう片方に金時豆バターを塗る※片面はバターにしてクリーミーさをプラスしたほうがバランスがよくなる。
3、バゲッドの間にサラダ菜、焼き豚、香菜、なますをはさむ。
このレシピのために数の子を買ってもいいと思えるほど、おいしい和え物です。ほくほくしたひよこ豆、プチプチ・コリコリした数の子、細く切ってシャキシャキ感を出したにんじん、3つの食感の違いが楽しい。数の子とナンプラーの相性も抜群で、ついつい箸が進みます。三が日を過ぎて、そろそろカレーやエスニック風のものが食べたくなった時にうれしい一品です。
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[ 材料 ]※4人前
おせちの数の子 小1本(30~40 g)※手で7~8㎜角位の大きさにちぎる
ひよこ豆(ドライパックまたは茹でたもの) 1/2カップ
人参3㎝(千切り)、香菜4~5本(粗みじん切り)
A:ナンプラー大さじ1/2、砂糖小さじ1、レモン汁大さじ1と1/2(酢でも可)、水 大さじ1、にんにくみじん切り少々、唐辛子みじん切り少々
[ つくり方 ]
ボウルにAを入れてよく混ぜ、数の子、ひよこ豆、人参、香菜を入れて和える。
※ワックスのついていないレモンを使用した場合、皮を千切りして少し加えてもおいしい
黒豆の甘煮をプルーンと一緒に赤ワイン煮にしました。黒豆を赤ワインで煮るレシピはよく見かけますが、プルーンを加えると味にまとまりが出ます。ちょっとしたアレンジでシナモンやレモンの皮を加え、デザート替わりにしてもおいしくいただけます。
プルーンも黒豆も非常に栄養があり、機能性成分に富む食品なので、健康のために朝食の定番にするのもおすすめです。
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[ 材料 ]※つくりやすい量
おせちの黒豆(甘煮) 1カップ~1と1/2カップ
ドライプルーン7~8個
赤ワイン150㏄ 水50㏄
粒胡椒7~8粒(あれば) 蜂蜜少々
[ つくり方 ]
1、小鍋にワインを入れて煮立たせ、1~2分煮てアルコールを飛ばし、水、粒胡椒、黒豆を入れる。
2、再び煮立ったらアクを取り、プルーンを加えて弱火で時々ゆすりながら約10分煮る。
3、味をみて好みの甘さになるよう蜂蜜を少々加え、そのまま冷まして味を含める。1日冷蔵庫で置くと味がなじむ。
お正月の豆料理には、一年まめに、元気で働けますようにという願いが込められています。お正月を過ぎても栄養豊富な豆類を食べて、健康で元気な1年をお過ごしください。







