10月13日は豆の日。お豆でみんな健やかに。

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2024.09.06

お豆のコラム㉟ さっと炒めて、おいしい豆中華

 

9月になりましたが、気象庁の予報によると気温は平年より高い見込みで、まだ暑い日が続きそうです。夏の疲れた体を元気にするために、しっかり栄養をとりたいですね。
今回は、食欲そそる豆を使った中華料理をご紹介します。レシピを考案してくれたのは今井 亮さん。中華料理を中心とした家庭料理を得意とする、いま注目の料理家です。使った豆は「きたロッソ」。(地独)北海道立総合研究機構が10年という長い時間をかけて開発した赤いんげん豆の新品種で、平成30年に登場しました。「きたロッソ」には、以下の優れた特長があります。
・煮ても鮮やかな赤色が失われない。
・皮が破れにくく、煮崩れしにくい。


茹でた豆、左が金時豆、右がきたロッソ

色鮮やかなうえに皮がそれほど気にならないのでサラダにしてもよく、また、皮破れしにくいので煮物、炒め物にも重宝します。おいしさについては、三大旨味成分のグルタミン酸がとアミノ酸がレッドキドニーよりたくさん含まれています。スーパーなどでは見かけませんが、ネット通販で購入することができます。今井さんは「きたロッソ」について「豆の味、香り共によく、煮崩れしにくいので料理しやすい豆ですね」とおっしゃっていました。
今回の中華は炒め物です。材料・調味料を整えて、あとはさっと炒めるだけ。この時期に火を使う時間が短いのはありがたいですよね。今井さんから教えていただいたおいしくつくるコツは「レシピ通りの分量を守る」ということ。何か1つの材料が余りそうだと、つい多めに入れてしまったりしがちですが、そういうことが味の決まらない原因になるとのこと。分量、手順、火加減をレシピ通りに守って、おいしい豆中華をつくってください。

 

[ 準備:きたロッソを茹でる ]
1、豆の分量の5倍前後の水に豆を入れ、皮がピンと張るまで浸水して戻す。
2、豆を浸した水と一緒に鍋に入れて強火にかける。しばらく沸騰させたらザルにあけて茹で汁を捨てる。
3、鍋にたっぷりの水と豆を入れ、火にかける。沸騰したら弱火にして、時々、アクを取りながらコトコトと煮る。途中で水が少なくなったらさし水をする。
4、食べてみて、ちょっと硬めかなと思うくらいで火を止め、そのまま冷ます。
※きたロッソは、茹で汁に浸けた状態で一晩おくと、より一層おいしくなります。その状態で、冷蔵庫で3日程度保存できます。冷凍する場合は茹で汁をきってフリーザーバックに入れて保存します。

 

 

複雑なレシピではないのに、びっくりするほどおいしい炒め物です。特に驚くのは、しっかり味がついているのに、素材本来の味わいがあること。香ばしさがありながら適度な柔らかさと弾力がある鶏肉、みずみずしい甘みを感じる黄パプリカ、そしてきたロッソも調味料の味のあとで豆の本来のおいしさを感じます。今井さんによると「きたロッソ自体の味がいいので、それを活かすために表面にだけ味をつける」のだそうです。「分量とつくり方を守ってもらえれば、きっとこの味が出せると思いますよ」と今井さんはおっしゃっていました。

[ 材料 ]

鶏もも肉1/2枚(150g)、きたロッソ(茹でたもの)100g、黄パプリカ1/2個(75g)
にんにく1かけ、生姜1かけ
塩小さじ1/4、片栗粉大さじ1、サラダ油大さじ1
A:酒大さじ1、醤油小さじ2、オイスターソース小さじ2、砂糖小さじ1、ごま油小さじ1

[ つくり方 ]
① 鶏肉、パプリカは2㎝角に切り、鶏肉には塩をもみ込んで片栗粉をまぶす。にんにく、生姜はみじん切りにする。Aは混ぜておく。
② フライパンにサラダ油を中火で熱し、鶏肉を2分炒める(あまり触らないようにして、軽く焼き色がついたらひっくり返す要領で炒める)。きたロッソ、パプリカ、にんにく、生姜を加えてさらに1分炒める。
③ 火を強めて、具材を寄せて空いたところにAを入れて、沸いたら手早く全体を炒め合わせる。

左:鶏肉に塩をもみこんだら片栗粉をしっかりまとわせます。右:具材を寄せて空いたところにAを入れるとすぐ沸くので、その後、手早く炒め合わせるのがポイント。

 

 

大人も子どもも大好きなエビチリにきたロッソを加えました。今井さんのレシピのポイントは、ミニトマトを少し加えてさわやかな酸味を出していること。これによってケチャップの甘みが和らぎ、いくらでも食べられるエビチリになっているうえに、きたロッソとの相性もばっちりです。お子さんのいらっしゃる家庭では、最後にかけるラー油はお好みで調整してください。

[ 材料 ]
むき海老150g、きたロッソ(茹でたもの)80g、ミニトマト5個、長ネギ1/4本、サラダ油大さじ1と1/2、片栗粉小さじ2(大さじ1の水で溶く)、ラー油(お好みで)
A:にんにくのすりおろし1/2かけ分、ケチャップ大さじ3、豆板醤小さじ1/3
B:水150cc、酒大さじ1、醤油小さじ1、砂糖小さじ1、鶏ガラスープの素小さじ1/2

[ つくり方 ]
① むき海老は、あれば背ワタをのぞいて洗って水気をふく。ミニトマトは4つ割にする。長ネギはみじん切りにする。A、Bはそれぞれ混ぜておく。
② フライパンにサラダを中火で熱してエビを入れ、両面に焼き色がついたら取り出す。
③ 弱火にしてAを入れて1分ほど炒めたら、B、海老、きたロッソ、ミニトマトを加えて中火でさらに1分煮る。
④ 水溶き片栗粉でとろみをつけて一煮立ちしたら長ネギを加えて混ぜる。器に盛り、好みでラー油をかける。

 

豆というと定番の煮豆や煮込みになりがちですが、今回のような中華の炒め物でもおいしくいただけます。特にきたロッソは、ねっとりした感じが少なく、皮もサクッとしているので、炒め物に合っています。「ほかの中華料理に使いたい場合は、他の野菜1品と置き換えるといいでしょう。その時は、味付けがブレないように、その野菜と同じグラム数を使うようにしてください」と、今井さんからアドバイスをいただきました。よくつくる中華の炒め物があれば、試してみてください。
今回の炒め物はどちらも、白ご飯にのせてもりもり食べてもよし、おつまみにもよし、お弁当にもよしの優れた一品。ぜひ、つくってみてください。

 

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