10月13日は豆の日。お豆でみんな健やかに。

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2025.06.06

お豆のコラム㊳ 梅雨の季節の食欲増進、スパイスを使った豆料理。

 

6月に入って、本州も月半ばには梅雨入りの予報です。蒸し暑く、雨が続く梅雨の時期は、だるさを感じたり、食欲不振に陥ったりして、体調不良になりがちです。三食しっかりバランスのよい食事ができるように、食欲増進を図りたいですね。
豆類は、体力低下やだるさ対策として摂りたいビタミンB群とミネラル類を豊富に含んでおり、梅雨の時期に取り入れたい食材です。そこで今回は、豆類がもりもり食べられる、スパイスを使った豆料理をご紹介します。レシピの考案は、スパイス料理家の山本由里子さんにお願いしました。
さて、料理にスパイスを使うとどのような効果が期待できるのでしょうか。山本さんにうかがいました。
「スパイスは、季節の食材の良さを引き立ててくれ、香りが食欲をアップさせるとともに、様々な効能があります。ちょっとピンとこないという方は、うなぎを思い出してください。うなぎに山椒をかけると、うなぎの風味が引き立ち、おいしさが増す感じがしますよね。そして山椒は、食欲を増進させ、消化を促進すると言われているので、消化の悪い食品であるうなぎにかけるのは理にかなっているのです。スパイスを使うことで、いつもの料理がぐんとおいしく感じられることもよくあります。
豆類は栄養があっておいしいのですが、食材としては控えめな印象で、存在感を出すのが難しいですよね。でも、スパイスを使うと豆の良さを引き出すことができ、他の食材とのバランスをとることができます。料理では、チリとクミンを使うチリコンカンがいい例だと思います。スパイスを使いこなして、豆類をおいしく食べていただきたいですね」
今回、山本さんが考案してくださったのは、虎豆と小豆を使ったレシピです。どちらも馴染みのある料理なのに、びっくりするくらいおいしいので、ぜひつくってみてください。

 

よく見かけるナスの味噌炒め。ニンニクとショウガが効いた、甘めの合わせ調味料のバランスが絶妙です。そのままでもおいしいのですが、いただく前に山椒をふりかけ、青じその千切りをトッピングするだけで、まるで別物になりました。ものすごくおいしいです。
「味噌炒めの重めの味わいを、山椒が引き締めてくれます。それに青じそをトッピングすることで、香り・味のハーモニーが生まれ、より一層おいしくなります。今回は香草との組み合わせでしたが、スパイスは2~3種類組み合わせて使うと効果的なんですよ」
お子さんがいらっしゃるご家庭では、山椒は控えめにかけて、取り分けてから大人は好きなだけ“追い山椒”するのがおすすめです。冷蔵で3日間日持ちするのもうれしい。

[ 材料 ]※2人分
乾燥虎豆50g(皮がピンと張るまで浸水し、茹でる)※茹で方はこちら
ナス2本(乱切りにして、薄い塩水に2、3分漬ける)
ニンニク、ショウガ各1片(みじん切り)
A:合わせみそ、しょうゆ、本みりん、さとう、各大さじ1(混ぜ合わせておく)
ごま油 大さじ2
青じそ(千切り)適量
山椒粉 適量

[ スパイスの効能 ]
山椒:食欲増進・消化促進
ニンニク:殺菌・抗菌作用
ショウガ:抗菌作用

左:使用するスパイス。右:虎豆は、指で簡単につぶせるくらいまで柔らかく茹でる。

[ つくり方 ]
フライパンにごま油、ニンニク、ショウガを入れて中火で熱し、香りが出たらナスを加えて炒める。
茹でた虎豆とAを加え、手早く炒め合わせ、火からおろす。
皿に盛り、山椒粉をふりかけ、青じそをトッピングする。

 

みんな大好きなカレー風味のコロッケに小豆を加えました。コロッケに小豆? と思いますが、これがとても合っていて、コロッケの味わいが1ランクアップします。
「小豆のさくっとした食感がアクセントになって、じゃがいもだけのコロッケよりおいしくなりました。また、小豆を刻んで加えているので、豆の皮が苦手という方にも気にせず食べていただけます。スパイスは数種を調合して、カレー風味を出しました。もちろんカレー粉で代用していただいても大丈夫です。ポイントはカレー風味を抑えめにしたこと。小豆の風味を殺すことなく、食欲をかき立ててくれます。クミンは、パウダーに加えてシード状のものも使っていますが、香りに深みが出るので試してみてください。余ったクミンシードは、野菜炒めなどに使ってもおいしいですよ」

[ 材料 ]※6個分
乾燥小豆50g(茹でて粗く刻む)※小豆の茹で方はこちら
じゃがいも2個(皮をむき、ひと口大に切る)
玉ねぎ 1/3個(みじん切り)、スライスベーコン2枚(3mm角に切る)
クミンシードひとつまみ、塩ひとつまみ
A:クミンパウダー小さじ1/2、コリアンダーパウダー小さじ1/2、ターメリックパウダー 小さじ1/2、チリパウダー小さじ1/8(合わせておく)※または、カレー粉小さじ1と1/2
衣:薄力粉適量、溶き卵1個分、パン粉適量
炒め用こめ油 大さじ1、揚げ油適量
千切りキャベツ 適量、中濃ソース(お好みで)

[ スパイスの効能 ]
クミン:食欲増進・消化促進
コリアンダー:消化促進・体内のこもった熱を除く
ターメリック:消化促進・抗酸化作用
チリ: 食欲増進・消化促進


左:使用するスパイス。右:小豆は、指で簡単につぶせるくらいまで柔らかく茹でる。

[ つくり方 ]
鍋に切ったじゃがいもと、じゃがいもが浸る程度の水、塩(分量外・ふたつまみ)を入れて火にかける。柔らかくなるまで茹で(約10分)、湯を切ったら熱いうちにフォークなどで潰す。


左:小豆の刻み具合。細かくなっても大丈夫。右:加熱したフライパンの油の中で、クミンがシュワシュワと泡立つ様子。こうして香りを出す。
フライパンに米油とクミンシードを入れて中火にかける。クミンから気泡が出てきたら玉ねぎとベーコンを加え、玉ねぎがしんなりとするまで炒める。Aと塩を加えて混ぜたら、火からおろす。
ボウルに①と②、小豆を加えて混ぜる。粗熱が取れたら6等分して小判型に成形する。
薄力粉、溶き卵、パン粉をそれぞれバットに用意し、成形した③に衣をつける。
揚げ油を180℃に熱し、衣にきれいな揚げ色がつくまで揚げる。油をよく切り、千切りキャベツとともに皿に盛りつける。お好みで中濃ソースをかける。

スパイスを使った豆料理で、蒸し暑い梅雨を乗り切って、元気にお過ごしください。

 

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