10月13日は豆の日。お豆でみんな健やかに。

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2017.07.27

お豆のコラム⑨ 「きちんと栄養、夏の豆料理」

一気に猛暑がやってきた今年の夏。夏の盛りを前に、もう夏バテが気になり始めた方もいらっしゃると思います。こんなときこそしっかり食べて、毎日の食事から身体の調子を整えたいですね。栄養豊富な豆類を使った料理を一品、夏のメニューに加えてみませんか。
インゲン豆類や小豆には、炭水化物のエネルギー代謝を促進し、疲れを取り除くビタミンB1が、B1を多く含むと言われる豚バラ肉と同じほど含まれています。また、たんぱく質の分解を促進するビタミンB6も多く、夏に傷みがちな髪や皮膚の再生を助けてくれます。そしてカルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等のミネラルも豊富。夏場は大量の汗をかきますが、体内のカリウムが汗とともに失われて起こる低カリウム血症が夏バテの一因ともいわれています。豆はカリウムに富む食品の代表格です。
豆は煮るのもめんどうだし、夏の食材としてどうなの?と思われる方も多いかもしれません。でも、逆に夏こそ豆がお勧めです。理由は煮た豆を冷凍保存でき、凍ったまま調理できること。一度にたくさん下煮して、小分けして冷凍保存しておけば、凍ったままでスープに放り込んだり、流水解凍でサラダに加えたり。手軽に栄養を補うことができる便利な食材。それが豆です。
今回は、3種類のインゲン豆で夏向きのレシピを考え、ワンプレートにしてみました。え?! これが豆なの?と思うような、非常においしい料理ができました。

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今回使った豆はこの3種のインゲン豆。左から虎豆、大福豆、手亡。

 

虎豆の産地から、生産者・石川修さんのメッセージ

 

北海道オホーツク圏の内陸に位置する訓子府町(くんねっぷちょう)。初めて都会から訪ねたなら、心身ともに解放されるような気持ちになる、本当に美しいところです。この訓子府町で数種の豆を生産している石川修さん。3代目の生産者で、入植したお祖父さんが営農を開始してから、ずっと虎豆をつくり続けてきました。
「子どもの頃は、豆が大好きという感じではなかったですね。料理人をやって初めて、料理に使う食材としての虎豆のおいしさに気がつきました」
石川さんは、調理専門学校へ進学してフレンチレストランでシェフを務めたのちに生産者になった経歴の持ち主。そんな料理のプロでもある石川さんが、調理してみて実感した食材としての虎豆の魅力とは?
「虎豆は、まず、ホクホクとして豆自体がおいしいです。それから皮との食感のバランスがいいと僕は思います。レストランに勤めていたときは、虎豆と野菜を煮込んだものを付け合わせにしていましたが、スープや野菜の旨味を豆が吸ってすごくおいしいんですよ」
石川さんは、2016年の「国際マメ年」のイベントで、虎豆とベーコンや野菜をスープで煮込んだものなどを調理して提供しましたが、人だかりができるほど好評で、ご自身が驚くとともに、虎豆の底力を再認識したそうです。
煮豆の王様と呼ばれる虎豆のおいしさには定評があり、煮立ての虎豆を夫婦で頬張れば、思わず笑顔がこぼれ、夫婦喧嘩も収まると言われるほど。生産にはとても手がかかって大変なのですが、「虎豆はどんな料理にも合うので、多くの方に食べてもらいたいと願ってつくっています」と石川さんは言います。
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石川修さん。美しい訓子府町の風景の中で。優秀な生産者であり、料理人だった経歴を活かし、虎豆をはじめとする豆類の普及にも取り組んでいます。

 

早く煮える、なかなか煮えない。その差はなに?

 

虎豆を含むインゲン豆は比較的アクが出ない豆といわれ、豆の3倍量程度の水に一晩浸けて十分に浸水したら、火にかけてアク抜きせずに煮上げてしまっても大丈夫です。しかし、その年の出来によって、また、保存状態によっても、煮え方も味わいも全く違ってきます。豆は自然の産物なのですから、それも当然ですね。
消費者が気をつけたいことは劣化です。豆は保存性の高い食品なので、つい適当に保存しがちですが、湿度や高温、大幅な温度変化、直射日光などによって劣化が進みやすくなります。劣化すると、アクが多く出たりする上に、硬くなってなかなか煮えなくなります。
通年で豆を気軽に調理し、おいしく食べる最も簡単で確かな方法は、信頼できるところで購入し、買ったら密閉できる容器に入れて、冷蔵庫で保存すること。脱酸素剤が封入されていたり、真空パックになっていたりするものは、開封まで常温保存が可能ですが、開封後は冷蔵庫で保存します。こうして使うことで、しっかり浸水したのち弱火でコトコトと(グラグラ厳禁!)煮れば、ホクホクに煮上がります。豆の種類や状態によって煮上がる時間に差があるので、煮え具合を確かめる一番いい方法は何粒か食べてみること。豆のいい香りや食味もよくわかります。

 

スパイスを利かせて、夏野菜と合わせて、夏の豆料理

 

日本と台湾で料理研究家として活躍する沼口ゆきさんが、とてもおいしい夏の豆レシピを考えてくれました。今回は、ワンプレートで紹介します。ランチに豆料理を楽しんでください。材料はすべて2人分です。


【 虎豆と夏野菜のサブジ 】


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夏は、カレーなど、スパイスの利いた料理が食べたくなります。豆とスパイスは、きっと相性がいいはずと考案したのがこれ。サブジは、スパイスを使って野菜を炒めて蒸し煮するインドの家庭料理です。炒めて蒸し煮するせいか、虎豆はホクホク感が際立って、ジャガイモに並ぶ勢いのおいしさ! 他の野菜との食感の相性も抜群です。スパイスをブレンドして使ったほうが香り高く仕上がりますが、もちろんカレー粉でも。辛味を抑えてつくれば、お子さんもきっと好き。お弁当にも便利な一品です。
〔つくり方〕
材料:煮た虎豆1カップ。なすといんげん合わせて450g。食用油大さじ3。クミンシード小さじ1/2。ガラムマサラ小さじ1弱。A=ターメリック小さじ1、レッドペッパー小さじ1/2(一味唐辛子少々でも可)、コリアンダー小さじ1、塩小さじ3/4。
1、いんげんは4~5cm、なすはひと口大の乱切りにする。
2、フライパンに油とクミンシードを入れて弱火にかけ、クミンから小さな泡が出てきたらいんげん、なすを加えて中火で油を回すように炒め、茹でた豆を加える。Aを混ぜたものを均一に振り入れ、ひと混ぜして蓋をして弱〜中火で火を通す。途中、蓋をあけて1、2度手早く混ぜ、さらに蓋をして数分蒸し煮する。※野菜が焦げやすいので注意。
3、最後にガラムマサラを加えて蓋をして2〜3分加熱、火を止めて2〜3分蒸らす。
添えた人参おにぎりは米2合に人参すりおろし1/3本分と塩少々を加えて普通に炊く。

 

【 手亡のクリームドビーンズ 】


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もしかすると豆でいけるかも?と、つくってみたらびっくりするほどおいしい豆料理ができました。アメリカ南部料理のレシピ「クリームドコーン」をアレンジした料理です。手亡はマッシュポテトのような食感! そしてクセがなく、コーンとの相性もばっちりで、これはきっと子どもたちが大好きです。コーンは缶詰でもいいのですが、この季節は、ぜひ生のとうもろこしで。保存状態のよい手亡ならすぐ煮えるので、たくさん下煮して冷凍しておけば、いつでもすぐつくることができます。
〔つくり方〕
材料:煮た手亡1+1/2カップ。豆の煮汁1/2カップ。とうもろこし1/2本(ナイフで粒をそぎ落とす)。生クリーム大さじ2〜3。塩・コショウ少々。
小さめの鍋に豆の煮汁と生のとうもろこしを入れて火にかけ、とうもろこしに火が通ったら手亡を加え、木べらで軽くつぶしながら水分を軽く飛ばす(少しゆるい程度でOK)。生クリームを加えて一煮立ちさせ、塩・コショウで味を調えたら火を止め、粗熱をとって冷蔵庫で冷やす。

 

 【 大福豆のマリネ 】


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さっぱりしたものが一番という方にはこれ。大福豆をマリネに仕立て、野菜だけではなくツナを加えてみました。これが、意外にも入れたほうがおいしくなります。パンやご飯と一緒にどうぞ。栄養バランスのよいワンプレートです。
〔つくり方〕
材料:煮た大福豆1カップ強。玉ねぎ1/6個(みじん切り)。ミニトマト7〜8個(4等分に切る)。ツナ缶適量。イタリアンパセリなどの緑の葉物適量。オリーブ油適量。塩・コショウ少々。
ボウルに大福豆、玉ねぎ、トマトを入れ、塩・コショウとオリーブ油を加えて混ぜ、最後にツナを加える。好みでニンニクのすりおろしを少々加えてもよい。

 

豆はめんどうと思いがちですが、慣れてしまえば、こんなに手軽で、健康的で、おいしい食材はありません。ポイントは、よい豆を入手し、ちゃんと保存すること。この点にさえ気をつければ、前の晩に鍋に放り込んで浸水し、翌日、片手間に煮ておくだけ。冷凍保存しておけば、いつでも簡単に栄養満点の料理をつくることができます。家族の健康のために、夏こそ豆を役立ててください。

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