10月13日は豆の日。お豆でみんな健やかに。

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2018.08.19

お豆のコラム⑬フレンチシェフ直伝、豆のオイル煮で豆サラダ。

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猛暑が続いた今年の夏。この先も平年より気温の高い見通しとのことで、体調管理に気を付けたいですね。
夏と冬では、同じ動作をするにもエネルギーの消耗度合いに格段の差があるそうです。それにともなって、糖質や脂質をエネルギーに変えるビタミンB1とB2も大量に消費されます。また、汗と一緒にナトリウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルも体外に排出されてしまうのだとか。
夏こそ、ビタミンB1とB2の豊富な豆類を食べましょう。カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルもバランスよく含まれています。
夏はなるべく火を使わず、手軽に、さっと栄養のある一皿をつくりたい。そう思う方にぜひ試していただきたいのが、今回の豆をオイルで下煮する調理法です。冷蔵庫で保存しておけば、あとは和えるだけ。様々なアレンジが可能です。
教えてくれたのは、フレンチレストラン「シャントレル」の中田雄介シェフ。フランスの三ツ星レストラン「レジス・エ・ジャック・マルコン」で修業を積んだ経歴の持ち主です。※「シャントレル」と中田シェフについて、詳しくはこちら

 

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素材の持ち味、味わいを存分に引き出し、滋味あふれるフレンチを創作する「シャントレル」の中田雄介シェフ。

 

中田シェフに豆を選んでいただいて、使ったのは手亡と青えんどう。青えんどうは、野菜としておなじみのさやえんどうやスナップエンドウの実が成熟してから収穫して乾燥したもの。皮が柔らかく、すぐに煮えます。手亡も皮が柔らかくて煮えやすく、今回の調理法に合っていたようです。

 

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左:小粒の白いんげん豆、手亡。右:青えんどうはもどすとあのグリーンピースに。

 

【更別村・石井農園の石井教子さんに聞く、夏の豆料理と手亡の生育だより】

 

北海道・十勝地方の南部に位置する更別村。減農薬や堆肥を利用した土づくりを推進し、また、太陽光発電やバイオマス燃料製造にも取り組み、環境に配慮した農業と暮らしを営んでいます。その更別村で小豆、手亡、大正金時を栽培する石井農園。「例年だと、手亡の花が咲くのは7月下旬、収穫は9月下旬です。今年は6月が低温だったので、豆類の生育状況は2~3日遅れの感じでしょうか。」と奥様の石井教子さん。今年は更別でも極端に気温の高い日や低い日がある異常気象。お話をした7月末日も33℃だったそうで、「今日は畑に出ませんでした。熱中症になってしまいますから」。今はさやの状態ですが、実入りはこの先の気温次第だそうです。天候によっては収入が得られないこともあり得る農業に従事している生産者さんには、本当に頭がさがります。出荷まで天候に恵まれ、無事に育ち、よい豆が収穫できるよう願うばかりです。
夏の豆料理について石井さんにうかがうと、「我が家では、夏も煮豆を食べます。大正金時の煮豆が一番多いですね。手亡は全部出荷してしまうので、農家が料理に使うことは、まずないと思います」と石井教子さん。中田シェフが手亡を選んだことをお話すると「確かに、手亡は皮が柔らかくて煮えやすく、さらっとした食感なので、料理に使いやすいかもしれないですね」と、料理法に関心を持たれていました。

 

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甘納豆も手づくりするという更別村・石井農園の石井教子さん。今度、ぜひそのつくり方を教えていただきたいと思います。

 

【中田シェフに習う下ごしらえ、「豆をオイルで下煮する」】

 

「ヨーロッパでは、ハーブやニンニク、そしてオリーブオイルを入れて豆を煮る調理法があります。オリーブオイルを入れるのは保存性を高めるため。本来は、ストーブなどのとろ火にかけてほったらかしにしておいて煮る、手間のかからない調理法です」と中田シェフ。ただ、季節に関わらず、何時間も煮るのは忙しい主婦の方には難しいだろうと、煮えやすい豆を選んで、中田シェフが手軽な調理法にアレンジしてくれました。

 

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材料:一晩浸水した豆(水を切る)1カップ。ニンニク1かけ。ローリエ1/2枚。タイム1枝。塩少々。オリーブオイル大さじ3。
つくり方:鍋に豆とひたひたの水を入れ、その他の材料をすべて入れて火にかける。沸騰したらアクをとり、沸いているか沸いていないかぐらいの火加減で30分煮る。常温で冷ましたら、熱湯消毒した保存ビンに入れる。

 

冷めたら、まず食べてみてください。そのままで、とてもおいしいです。ハーブやニンニクの風味とオリーブオイルのコクで豆に一味プラスされた感じ。ほのかな塩味も感じます。オイルがフタをしてくれるので、保存に気を付ければ、冷蔵庫で2週間程度日持ちするので、つくっておけば重宝すること間違いなしです。

 

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オイル煮した豆、左が青えんどう、右が手亡。上部のオリーブオイルは冷蔵庫では固まるので、使うときは油膜が溶けてから。オイルを残して使っていくと日持ちします。

 

【豆のオイル煮でさっとつくれる、ごちそうサラダ】

 

中田シェフが、豆のオイル煮で手軽につくることができるうえに、ごちそうになるサラダのレシピを考案してくれました。

 

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材料・作り方:汁気を切った豆のオイル煮、アンチョビ(5mm角程度に刻む)、ドライトマトのオイル漬け(5mm角程度に刻む)、それぞれ適量。塩、コショウ適量。全部を和えて、オリーブオイルを適量回しかける。

 

ドライトマトの酸味とアンチョビの塩味に、下味のついた豆の取り合わせが絶妙。辛口の白ワインにぴったりの、大人の夏のごちそうサラダです。アンチョビではなく、ツナやトリのササミも相性がよく、これならたんぱく質もたっぷりとることができ、お子さんにもおすすめです。マカロニと和えてもよく、休日のワンプレートランチによさそうです。

 

豆のオイル煮は、とても便利。肉料理や魚のグリルの付け合わせに。お弁当に一品プラス。いつものサラダにトッピング。食べるラー油と塩などを加えるだけでおつまみにしてもいけます。豆自体に下味がついているため、料理に使いやすい点がうれしい。色々と工夫してみてください。
栄養豊富な豆のオイル煮をつくり置きして、しっかり栄養をとり、残暑も元気にお過ごしください。

 

 

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